「日本林道一筆書き」群馬県編


栗原川林道沿いの心地よい川でランチしました!
赤城山の穏やかな裾野をゆったりと走り
足尾山地を貫く関東最長33㎞のダートへ

緑が眩しい5月中旬。日本百景と百名山の赤城山、東麓へ向かいました。まずは「田沢(梨木楡沢)林道」へ。入口から木立に囲まれた明るい道で気持ちいい。ときおり赤色のヤマツツジが目を引きます。この林道からわずかに移動したもう1本の林道も同じような雰囲気で〝緑”と〝涼”の心地よい空間の中にいました。バイクから降り、澄んだ水を覗いていると男性に会いました。ときどき車でここに来ていると話す笑顔に、この林道が本当に素敵なんだなって感じました。
2本の林道を走り終えると、足尾山地の主峰で百名山のひとつ皇海山、その最短アプローチルートである「栗原川林道」へ! この林道は、著書の『林道ツーリングガイドブック』(実業之日本社)でも関東屈指のロングダートとしてご案内しました。最高標高1472m、山岳地帯ならではの景色は素晴らしく、木々が途切れると、群馬と栃木を隔てる皇海山をはじめとする2000m級の山々を眺望。高低差と路面変化のあるダートを楽しめます。一部道幅いっぱいの凍った残雪もありました。路面はほぼ走りやすいのですが、雨水で深くえぐられた箇所や、バイクは避ければ通れる崖崩れ箇所も。なので対処できるスピードで走ろうね。なお、栗原川林道の交通情報は群馬県のHPで確認できます。



関東最長のダートコース「栗原川林道」。山の奥へと踏み込んで行くと、林道らしいワイルドな岩の掘割道や、ダイナミックな景観、ランドマークの素掘りトンネルもあります。季節によりトンネルの向こう側の、陽光に照らされた緑や艶やかな紅葉の四季彩も楽しめます!




赤城山の東側裾野では、道幅も広く走りやすい「田沢(梨木楡沢)林道」など2本の林道を走りました。杉やヒノキや唐松の緑豊かな森で、それぞれの道の途中には小滝や清流のせせらぎも。マイナスイオンたっぷりな、癒しの自然にふれるツーリングとなりました!


ゲートには獣避けの開閉式ゲートもあるからUターンする前に確認を!また、今回の林道も開放してもらっている林業の道、その温情に有り難くマナーを守り安全運転で走ろうね

渡良瀬渓谷線「水沼駅」に併設された温泉施設『水沼温泉センター』。林道の帰りにいかが♪
群馬県桐生市黒保根町水沼120-1
10時半~19時/大人600円/不定休。
☎0277-96-2500

「栗原川林道」の北側出入口近く、国道120号沿いにある吹割の滝。珍しい滝で、高さ7m、幅30m余りの巨大岩の両側面から大迫力の瀑布が。見ごたえある国の天然記念物です。

Caution!
林道は林野作業や地域の方の生活道路なので無理は禁物。四輪駆動車やハイカー、マウンテンバイクなども林道を使用するので常に気をつけて楽しみましょう

続きを見る…

「日本林道一筆書き」愛媛県・淡路島 編


空海が愛した四国の自然を林道で体感
南淡路の林道では紀伊水道の大パノラマ

 今回は愛媛県久万高原の久万エリアを走り、高速道で移動し淡路島の最高峰を目指します。
 スタートは、古岩屋温泉の脇から始まる「林道古岩屋線~西峰線」。林道は走りやすく県道12号を挟む向かいには、古岩屋の巨大奇岩も楽しめます。このエリアで1番好きだった林道が「管生峠御堂線」。最高標高は655mですが、久万高原の展
望が素晴らしく爽快でした。4本の林道を記録し、久万スキーランドの入口に出ると、四国最後となる愛媛県の林道も終了。移動途中には、空
海ゆかりの44番札所大寶寺と45番札所岩屋寺があり、1200年の歴史に思いを馳せる旅にもなりました。
 四国を後に大鳴門橋を渡る。グルグルと白波立つうず潮に自然の力は偉大だ~と感動。そして、いよいよ淡路島へ。この島も楽しみにしていました。理由は2つ。国生み神話の、ロマンに満ちた島であること。もうひとつは、四国と繋がる関西圏のこの島をぜひ一筆書きしたかったのです。こうして、向かったのは南あわじ市の諭鶴羽山。明るい林道を上がっていくと目の前に広がったのは紀伊水道と沼島の素晴らしい景色でした! 淡路島はわずか1本の林道でしたが大満足です。予定のエリアを走り終え、世界最長の明石海峡大橋を渡り帰路へ。林道宝庫の四国と南淡路の森のパワーを受け取りに、皆に走りに来て欲しい! と思うのでした。



左右の写真は南淡路島の諭鶴羽山を走る林道。山中には平安頃の諭鶴羽古道(歩道)もあり、どちらの道も大鳴門橋や紀州……など大展望の山頂へ行けます。中央の写真は久万エリア「林道古岩屋線~西峰線」の近くで聳える、約2000万年前の「古岩屋の奇岩」で、圧倒でした!

続きを見る…

「日本林道一筆書き」高知県 編


雄大な自然に龍馬の足跡残る高知
緑深い開放的な山容と清流を堪能

 今回は高知県、四国のライダー5名と土佐町の早明浦ダム近くで合流し「竜王林道」をスタート。
 新緑の森はセラピーロードのように癒され、やがて緑に輝く山々を展望! 続く「奥白髪林道」へ。合わせ
て約18㎞のダートを快走すると、やはり素晴らしい景色の林道を経由して「林道寒風大座礼線」へ。残念ながら東側はゲート設置で西側のみ
を記録。この林道の最高標高は約1250m。平家の落人伝説がある平家平や冠山など山並みが絶景で、ドーンと伸びる18㎞のダートも最高
でした!
 ここからいの町へ南下し、ビバーク地の「農村交流施設・森の巣箱」へ着く頃にはバイクのライトだけが灯るミステリー走行に。 
 翌日は荷物をバイクに積み7時スタートで檮原町に向かう。まずは「林道神在居佐渡線」。この林道は眩しい緑のトンネルを抜けると山並み
を眺望! 途中で明るい杉の林間を貫く林道を抜け、坪野田地区まで来ると、仲間たちが走る姿を見下ろす絵葉書のようだった約5.7㎞の林道
を走りました。文化庁選定の「歴史の道百選」にある、龍馬が脱藩した韮ヶ峠を越えると、ラストは四国カルスト西側の爽やかな林道2本を記
録し高知エリアを終了。山容や清流など、四国山地ならではの風景を存分に楽しめました!

SSER主催のTBIに遭遇。私がTBIに参戦した年はダート約500㎞を含む2000㎞を駆け抜けました。
それほど四国には豊かな自然が満ち溢れ、旅人の心に残る林道表情を見せてくれます☆


檮原町周辺は難易度の低い5本の林道を走りました。眩しい新緑に、ときおり眺める山並みが美しかったです! 標高1000m弱の林道からは、森林が町面積の90%ほどを占めるだけあって、山々に囲まれた山間に町並みを遠望

続きを見る…

「日本林道一筆書き」徳島・香川県 編


広大な海原と山並みに抱かれた林道天国の四国へ、いざ出陣~
 埼玉県をバイク仲間とスタートした私たちは、高速道で神戸まで移動。淡路島を介して大鳴門橋で、徳島県へやって来ました。ビバーク地は道の駅温泉の里神山。近くの神山温泉に浸り、これから始まることにワクワク感で溢れそうだった。
 夜明けと共に目が覚める。徳島県のライダー3人と合流して、剣山山脈の東端に位置する佐那河内村から案内してもらいました。この日2本
目の林道からは讃岐山脈に徳島平野、紀伊水道を眺望。遥か遠くまで美しすぎて、もう感激! そこから「剣山スーパー林道」へ。約50・6kmもダートが残る日本一長い林道で、剣山の自然を満喫! 長い山道は工事中で行止まり、記録はファガスの森「高城」まで。実は剣山走破歴は
5回中2回だけ、またもや残念でした(笑) 。スーパー林道を戻り、岳心の森から林道を抜けると調査は終了。まんのう町にある土器川河川敷
でビバーク。ところが虫の多さに心が折れ、思い出に残る夜となりました(笑)。
 翌日は香川県を7人で調査。日本で一番面積が狭く平野が広がる県なので、地元のライダーに案内して貰う林道に興味津々。讃岐平野の展望や二軒茶屋、讃岐と阿波を結ぶ交易の道として栄えていた道などピストンながら楽しい林道を記録できたのでした!

箸蔵街道を横切る林道は標高470mで峰にでる。安全に通行できる最終地点も近いけど、道の左右に広がる壮大な山並み!大自然に感激☆



若狭峰を目指す香川の林道。注意の看板が立つ林道から先は山道なのでここでUターン。林道内でループ出来る楽しみもあり、そこからは箸蔵街道方面の展望がいいんだ! 沢山の種類の野鳥も生息していて、Uターン場所でバイクを止めると鳥のさえずりに笑顔

続きを見る…

”林道ママ”松下時子がセローで巡る「日本林道一筆書き」


林道が大好きな私が、ある目的を持って、相棒セロー250で北海道から九州/沖縄まで林道を巡り、3度目の日本林道ツーリングにチャレンジ中。その名も「日本林道一筆書き」!
PHOTO&TEXT:松下時子

ナビゲーターはこの人
松下時子さん
林道ツーリングを通してバイクの楽しさをより多くの方に知っていただけるように日々活動。10代で日本の林道を探訪しながら日本一周走破。2006年に2度目の日本林道ツーリングを果たす。モンゴルや海外オフロードツーリングの経験も豊富。
著書に『林道ツーリングガイドブック』(実業之日本社)など
HP:http://offtime.net/
facebook:https://www.facebook.com/tokiko.matsushita.1
林道一筆書きって何?

日本全国(47都道府県)の林道を一筆書きのごとく走る「日本林道一筆書き」。この旅では、『日本林道一筆書き・重ねるマップ』本を制作するために、ベースとなる一筆書き林道ルートを基にその周辺の林道も徹底調査します。そしてそれを元に一定エリアをぐるっとループすることができるツーリングルートをセレクトしたマップと、一筆書き林道のマップを重ねると楽しいツーリングルートを紹介することができる本になります

続きを見る…