ダートスポーツWEB版をご覧の皆様、はじめまして。

Sugiyama Racing Japan(SRJ)のyskです。

 

ひょんなことから、ダートスポーツ様に寄稿させて頂く事になりました。いつものノリで書いて良い…、とのことですが、正直どのくらいのノリでいっていいものか、とっても不安です。

と…心配な面もありますが、とりあえず1本目、行ってみたいと思います。

ダートスポーツ大臣執務室2

 


 

 

さて、7月13日(日)に熊本県は阿蘇市にあります、阿蘇観光牧場にて開催されたJNCC第5戦、グリーンバレー森羅に出場してきました。

各所で報じられておりますとおり、暴風雨と濃霧に見舞われた、JNCC史上最悪といってもいいサバイバルなレースとなった本大会。

 

…凄かった。

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<AAクラススタート、日章旗が見えるギリギリの濃霧…ヤバスギッ!!>

 

 

 

いや、本当に。

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<ドロドロの牧場でワイドオープン、気持ち良いネッ!(んなわけないだろって!?)>

 

 

 

想像を絶するコンディションで行われたエンデューロレースとなりました。

 

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常人ではまともに周回することすら困難なこの大会において、全日本総合優勝を決めたのは、ご存じ小林雅裕選手。

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AAデビューから10年。

 

 

 

いつ勝ってもおかしくないと言われながらも勝ちに恵まれず、ライバルに先を越され続けた彼。

ここ数年、私は、全日本優勝という非常に高い目標に向かって、あくなき努力を続ける姿を、間近で見続けてきました。

 

 

少しでも速く走るために、小林雅裕のこだわりは多岐にわたります。

 

マシンは常に清潔かつ万全の状態にセットアップされ、例えばボルトはきっちりトルク管理されています。車に積込む際の傷つきへの配慮など細部まで、かなりの気の使いよう。

練習は、可能な限り毎週土日。練習時間も長く、かつ、出来る限りハードな状態で行われます。気温35℃超の真夏に、パーカーを着てモトクロスコースを走りこむ姿を見たときは、正直、真剣に引きましたΣ(゚д゚;)

最近は、JNCC・地元熊本のエンデューロレース・全日本モトクロスの掛け持ちなどで、1か月半くらい毎週末レースなんて状況もざらにあります。その中でも、時間があれば山にトレールランニングに出かけたりと、体力作りにも余念がありません。

そうそう!

レースの会場で驚いたことといえば!

AAライダー入場の際に、手を振る子供の横でエンジンを停めて握手したのを見たとき。

バイクに乗っているときも周囲をとっても良く見ていて。なんか、普段我々と一緒に居る時の適当な感じ(笑)と違って、ここ一番ではうまい対応が出来るものだなぁ! 心から思いました。

 

 

 

 

このように、努力に努力を積み重ねてきた小林選手にとって、ここ最近で一番悔しかったのは、2013年6月の爺ヶ岳大会でしょう。

 

鈴木健二選手、渡辺学選手のトップ2がマシントラブルでリタイアし、チャンスを生かして悲願の初優勝!! と周囲は思ったけれど、途中で壊れたマシンをピットで修理する際の移動中に、コースをショートカットしてしまったことをホッテストアワードの最中に告白。リザルトの訂正で4位となったあの大会です。

 

そのとき私は、たまたまクラス優勝をGET。これはダブル優勝で、とってもめでたい!なんて、浮かれていたときのこと。

『先に言っておきたいことがあるんです。自分、実は優勝じゃないんですよ…、これからショートカットを告白するので自分は1位ではなくなります。スミマセン…』

って、彼が辛そうな顔で言ったのです。

 

レースには人一倍厳しく、真面目に向き合う彼の性格を考えると、ゴールした直後に『いや、自分は1位じゃないっすよ!』ってさらっと言いそうなものだけれど、その時、彼の表情を見ていて感じました。

周囲の期待に応えねば、勝たなければと、人一倍強い気持ちで、10年近く思い続けてきた彼だからこそ。

遂に優勝だ!! と喜ぶ関係者を落胆させたくなくて、ものすごい葛藤があった末の、ホッテストアワード中の申告となってしまったのでは? と思うのです。

あの場所で、ショートカットを申告し、そのままホッテストアワードの場に残って優勝となった出口選手を称えた彼の心中は…、きっと穏やかではなかったでしょう。

 

 

 

 

あれから1年が経ちました。

どんな事があっても、しかしあきらめず、くさることなく、少しでも速くなろうと小林選手は努力を積み重ねてきました。

 

彼は、レースの後に、一切の言い訳をしません。

 

「トラブルが無ければ」 「あの時こうすれば結果は違ったのに」 「途中まで上位に居たんだ」

つい誰しも口に出してしまいそうなセリフを彼はまず言いませんし、レース前後を通して、ピリピリすることなく、常に穏やかです。

TOPライダーというのはこういう姿勢からして違うのだな! と感じた次第です。

 

 

 

 

そして遂に、JNCC熊本大会にて悲願の初優勝を成しとげました。

ほんとうにうれしく思います!

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<今回、激マディのレースを支えたのは、小林選手用に作られた超スペシャルな野口シート!素晴らしいグリップ力は初優勝への大きなアシストとなった!!>

 

 

 

 

さて。

 

小林雅裕優勝のニュースが各所で流れる中、JNCCのTOPページに出ている写真のコメントでふと思ったことがあります。

 

 

 

コレのことなんですけどね。

JNCC TOP

「デビューから10年、万年 2位 3位のまちゃがJNCC初優勝を圧勝で!」

 

 

 

 

 

一見褒めているように見せかけて 『万年 2位 3位』…と、何気に激しくディスられてる小林選手!(笑)

さ、さすがJNCC、ハンパないっす…(((( ;゚д゚)))

私はこの短い1文から、JNCCから彼への、深い愛情を感じずにはいられませんでした(棒読み)。

 

 

 

 

ちなみに、SRJにも小林選手優勝後の話を書いていますので、是非ご覧ください。

 

 

 

 

 

さて。

ところで、そんな小林選手ですが、今回の大会ではピットワークで苦労したとのこと。

 

 

常に穏やかである彼が、今回なんと、ピットで声を荒げるシーンもあったとか!

 

 

最悪のコンディションであるため、2周に1度はピットインしていたという小林。

小林選手のメカニックは、FUNクラスにも出場しているチームメイトの『堀ちゃん』なのですが。

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<小池田選手から要望を聞いて対応する堀ちゃん>

 

 

今回、我々のピットは、普段以上に多くのライダーの対応が必要でした。アメリカから来たAA小池田選手に加え、地元大会ということで普段MXに出ている仲間たちも参戦したため、大忙し。

堀ちゃんは、入ってくるライダーを、他のサポートメンバーと一緒に片っ端から対応していきます。

 

 

しかし、1時間過ぎたあたりから、司令塔でもある堀ちゃんが居なくなってしまいました…。

 

 

そこへ、給油しようと入ってきた小林選手。

しかし、堀ちゃんは居らず、今回スポットで応援に駆け付けたキョーヘイ君がピットサポートを行うものの、堀ちゃんが居ないと勝手がわからない所があり。

KONICA MINOLTA DIGITAL CAMERA

<青いカッパを着てサポートするのが、モトクロスライダー NAキョーヘイ。私を最初に『地蔵』呼ばわりした男。>

 

 

 

 

 

そして、ついに…苛立ちが頂点に達し!

雅『堀ちゃん! 堀ちゃんどこぉぉぉ!?』

 

お、怒った…。

あの温厚な小林雅裕が、遂に激おこですッ!!

 

 

 

 

 

 

しかし…、堀ちゃんは現れない!

代わりに必死で作業するNAキョーヘイ

 

 

 

 

 

雅『な、なんで…』

雅『堀ちゃんなんで居ないのぉぉぉぉ!!(ノ◇≦。) ビェーン!!』

 

雅選手、激おこプンプン丸状態で魂のシャウト!

 

しかし堀ちゃんはやっぱり現れないっ!!!

 

 

 

 

しかたなく、キョーヘイが給油対応しますが、ガス缶がどれなのかわからない。(そりゃ、初めてJNCC手伝ってるわけですからね…)

 

 

 

雅『その黄色いクイックチャージャーだよッ!!!!』

 

 

 

小林選手、イライラもピークに!

 

これは、スムースな対応が要求されます。

 

 

 

NAキョーヘイ『………………こ、これか!?』

 

とクイックチャージャーを持ってくるキョーヘイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雅『ガッ…ガソリン入ってないじゃーん!!!!○(#゚Д゚)=(  #)≡○)Д`)・∴』

 

 

 

 

 

 

優勝目前の一刻一秒を争うエースライダーにこの仕打ちΣ(´д`;)

ガソリンが入っていないクイックチャージャーの存在意義っていったい…。

 

 

とまあ、これを数度繰り返したとかしていないとか…小林選手お疲れ様…。タブンシランケド…。

 

 

 

 

 

さてさて。

一体堀ちゃんはどこへいってしまったのか???

 

 

それについては、小林選手本人も疑問が尽きないようで

『堀ちゃん、なんでいなかったのかなぁ…』

と後日言っていたのを、私は聞き逃しませんでした。

 

 

その理由、私、知ってます。

 

1時間近く専属メカの堀ちゃんを

 

連れ歩いていた奴が居たのです。

 

 

 

その人物は、スタート30分経たずにクラッチを山の中で焼き切り、歩いて帰ってきたのです。

そしてピットに居る堀ちゃんに

『マシン壊しちゃった、助けて!(・ω<) テヘペロ』

と声を掛け

『すぐそこだから!すぐ帰ってこれるからさ!(・ω<) テヘペロ』

しかしまあ、実際はそんなことは無く、なんだかんだ1時間掛かってしまった、と。

 

 

 

ホントに酷い奴が居るもんだ、と私も思いました。

何考えてるんだ? これで負けちゃったらどうするんだ?? って話。

 

 

 

 

 

 

 

え?

 

ピットに大混乱を招いた元凶である不届き物は誰かって???

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『小林選手。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『やったの誰か知ってますか!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…………。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺っす!σ(≧Д≦`;;;)』

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<野口装美さま、私なんかにも凄いの作って頂いて、ほんとにありがとうございました!>

 

 

小林雅裕選手

優勝、誠におめでとうございました!

Mr.MACHA-2

これで負けてたら、責任問題で、私が涙の会見をすることになっていたのでは…。

何も考えず堀ちゃん連れ出しちゃったよ、ホントゴメンネ。

 

初優勝、ほんとにほんとに、おめでとう!!

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