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先日の全日本モトクロス選手権菅生大会を見て思ったことを書き連ねてみます。

はっきり言って今の日本のモトクロスコースは未舗装なだけで、自然の土の状態ではなく、かなり踏固められている状態だと思います(ジャンプの前後は危険だから当然ですが)。そこに雨がたっぷり降れば下地は固く、表面はツルッツルな「いわゆる走りたくない恐怖しかない」路面だと思います。が、今回の菅生はバッチリ耕してあり、そこに大量の雨が降ったいわゆる本来の自然な状態の未舗装(ヨーロッパ? アメリカ?)的なモトクロスコース状態になったと思います。
なんでモトクロスライダーは走れなく、マディではエンデューロライダーがうまく走れるのか(あくまで一般的にはね)!?

良くも悪くもエンデューロのコースは、踏み固められた土ではなく、本来の軟らかい状態であることが多いんです(いわゆるサーキットエンデューロは別ですよ)。まさに今回の菅生に近いコンディションと言ってもいいと思います。雨の多いヨーロッパの国や、東北にはまだやわらかい路面にコースが多いのが、マディに強いライダーが多い背景の一つかもしれませんね。

そういうコンディションって、いわゆる今の日本のモトクロスコースでは皆無と言っても言い過ぎではないでしょうし(今はだいぶ増えてきただろうけど)、なによりモトクロスライダーはマディで汚れる中で走るのを嫌うライダーも多いでしょうしね(偏見だったら、ごめんなさい)。エンデューロライダーは、基本的に週末(週に1回)しか乗れないサンデーライダーばかりなので、今日はマディだから乗らないって訳には行かない人が多いので(これも偏見だったらごめんなさい)、せっかくだし、もったいないから!? 乗っちゃえーって(笑)。だから、いわゆる重馬場な状態でも上手く走れるのかもしれませんね。

軟らかい土に大量の雨で今回のスゴウのような状態でも走れるようになるには…
ちょうどこの前にアップされたマディが得意な井上真一選手のアドバイスを読んでちょうだい(笑)

オレが言える事と言えば、「練習は裏切らない!」という事ですかね。マディは、走れれば走るほど自信も力も速さ、うまさもついてくるものだと思います。

あとこれは井上選手とかぶるけど、とても重要だと思うゴーグルです。モトクロスではマディでゴーグルをポイッと捨てるようにコース外に投げてしまうライダーが多いと思います。が、前車を抜いてこそのモトクロスレースにこそ!? いやマディレースこそゴーグルは外せないものだと思っています。だって前車は絶対にブロックラインや泥を利用して来るわけですから(だって誰だって抜かれたくないもんね)。
そんな時後ろのライダーにブロックラインや泥を大げさにかけるような走りをしてきたら…、ゴーグルがなきゃ、いいラインにも入れないし、目を守りながらの走りになり、そんな状態では前車を満足にパスすることは出来ないと思います。事前にゴーグルを取らないような仕掛けや細工をしておけば、前者に追いついても華麗にスパッと抜けるでしょう!
また目に泥や石が当たらないとも限りません。はっきり言って目が失明したらどうすんの!?って感じです。そんな事ないじゃん! そんな偶然に当たらないよ! って思っているそこのアナタのその自信は、いったいどこから来るのでしょうか。その為に出来るだけゴーグルは最後まで出来るように事前に準備&細工をしておけばいいと思いますけどね。
その細工はヒ・ミ・ツ(笑)…じゃなく、曇り止めの使用やロールオフやティアオフの装着、スペアをうまく持参する(少しレース中停止したとしても、その差はきれいな視界なら取り戻せるはず)! など、いろいろ出来ることはあると思います。

またかぶりますが、マディ用のセッティングも大事です。今は4ストでインジェクションがメインなので、もはやマディセッティングも書き換えひとつでしょう。

最後に足周り! これも重要ですね。ドライ用のセッティングでは、泥の付着により軟らかい動きの初期作動が全部殺されてしまいますからね(泥でサスペンションが沈んでしまうため、いきなり少し硬いサスの中期付近が最初に動くので余計硬くなるんです)。

モトクロスライダーにはもっとクロスカントリーやエンデューロにも参戦して欲しいです。もちろんクロスカントリー、エンデューロライダーにはモトクロスレースをやってもらいたい! 一番いいのは垣根なく、交互にライダーが来てくれ、交流がもてればいいんですけどね。

結果何が言いたいのか!?
クロスカントリーレース、エンデューロレースはマディだけじゃないのよ。ってのと、モトクロスライダーももっと気楽にクロスカントリーやエンデューロレースにも遊びに来てね♪ それが結果的にはモトクロスレースにも役立つんです! ってことですかね。

モトクロスライダーのみなさんぜひエンデューロやクロスカントリーレースにも遊びに来てくださいね! ちなみに、アメリカでは有名なモトクロスライダーでもマイク・ブラウンやライアン・サイプスなどは今はすっかりクロスカントリー、エンデューロなどに転向して活躍しています。ヨーロッパではジョナサン・バラガン、今はやっていませんがジョエル・スメッツやスポット参戦でステファン・エバーツ、ミカエル・ピションなども出場したこともありました。そんなコースで走っているので、クロスカントリーやエンデューロにもすぐに対応出来るのが、日本以外のライダーなのかな!? とも思っています。もちろん力のあるMXライダーは適応力が高いのですぐに対応してしまうんですけどね。

いつか日本のMXスター選手もクロスカントリーやエンデューロにもね!(って、既にもういるけど、もっともっとって意味ね)

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この記事の著者について

池田 智泰
ラリーでの負傷から休養中のエンデューロライダー。JECPROに所属していたことも
2010年/ISDEメキシコ大会 ワールドトロフィー
2009年/JEC(MFJ全日本エンデューロ選手権) シリーズチャンピオン
2007年/ISDEチリ大会 ワールドトロフィー シルバーメダル
2006年/ISDEニュージランド大会 ワールドトロフィー シルバーメダル