さてさて、お待ちかね、ダートバイクへの関わりを赤裸々に告白してもらう連載ダートバイク・ヒーローズのお時間です。今回は、乗る方ではなくて「観る方」。昨今SNS界隈で話題の女子大生「しみちゃん」の登場です! しみちゃんのブログ「モトクロス観戦初心者が覚えたことを書いていくだけのブログ」もぜひご覧下さいませ!

PHOTO/ENDLESSDIRT MXPHOTOGRAPHY

しみちゃん PHOTO/ENDLESSDIRT MXPHOTOGRAPHY

まさか自分が全日本モトクロスにハマるなんて思ってもみませんでした。

私は4年制大学に通っている普通の大学生です。ただ普通とちょっと違うのは親が趣味でエンデューロやモトクロスをやっていたこと。幼少の頃から親に連れられて週末はよくモトクロス場に足を運んでいました。しかし私はダート系の二輪レースには全くと言っていいほど興味を示さず、やがて小学生の頃からMotoGP(世界最高峰二輪ロードレース選手権)をテレビで見るようになりました。そこから私は二輪ロードレース観戦にのめり込んでいき、そしてちょうどその頃から父は街乗りバイクに転向していったためダート系のレースと関わることはなくなっていきました。

そんな中、突然私に転機が訪れました。

今年(2014年)の5月、とあるイベントにて友人から全日本モトクロスに参戦している選手を紹介していただいたのです。
「僕、全日本でモトクロスやってるんですよ。良かったら、動画とか見てみてください!」
その時は「モトクロス」というキーワードにあまりピンと来ませんでした。ただ、その選手とお会いできたのも何かの縁、関西に住む私の家から一番近い奈良県名阪スポーツランドで開催される全日本モトクロスを見に行ってみようと思いました。

最初は9月の名阪ラウンドを見に行くために最低限の知識をつけておこう、という程度に考えて、まずはお会いした選手のことを調べてみました。でも不思議ですね。じゃあ次はその選手が出ている動画を見てみよう、1位を走っているのって何ていう選手だろう、ルールはどうなっているのかな…どんどん知りたいことが増えていって、そのうえモトクロスに精通している方々が私に情報をくださるので、気づいたら名阪ラウンドまであと何日、ってカウントダウンしちゃうぐらいモトクロスを見に行くのが楽しみになってきていました。

そして迎えた全日本モトクロス第7戦名阪。たくさんのバイクが走り出してすぐ、私はモトクロスの魅力に引き込まれていきました。どれだけの距離を飛んでるの? っていうぐらい高くて迫力あるジャンプ、スタート5秒前に一斉に響き渡るエンジン音、すぐ目の前で土を巻き上げながらコーナリングしていくバイク。そして実際にレースを観に行って感じたのは、モトクロスって本当に選手と観客の距離、コースと観客の距離が近い。事前に調べていた憧れの選手と一緒に写真を撮ってもらえるんです。コーナリングする時に舞い上がる土が容赦なく観客席に降ってくるんです。土が降ってきたら髪とか服とか汚れるやん! って思いますよね。でもなんかこれが嬉しくて(笑)一瞬にしてモトクロスにハマってしまった私は、夢中になってバイクが走っていく姿を見ていました。動画で見るのと実際観に行くのとは全く違っていて、衝撃のモトクロス初観戦でした。

次戦は名阪ラウンドの一か月後、広島大会。名阪の興奮は冷めやらず、ぜひとも弘楽園にレースを観に行きたい! と。あいにく私は車の免許を持っていなかったので、なんとか公共交通機関で行ける方法はないかと一生懸命調べて、しかも一人で遠くまでレースを観に行くなんて初めてだったので親を必死で説得して、どうせなら綺麗に写真も撮りたいなあと思って一眼レフまで買って、新幹線、電車、バス、タクシーを乗り継ぎ、自力で弘楽園までレースを観に行きました。名阪の時よりも知識が増えていて、それはもうめちゃくちゃ楽しかったです。

気が付けば、この短期間でモトクロスが私の生きがいみたいになっていました。モトクロスを観に行くために一生懸命バイトしてお金貯めて。結局勢いのままに突き進んでいったら、スポーツランドSUGOでの最終戦のスターティンググリッドにて、私がモトクロスに再び出会うきっかけをくれた選手の傘持ちをさせてもらう機会にまで恵まれました。

本当、どこでどんな出会いが待ち受けているか分からないですね。ヨーロッパにMotoGPを観に行くためにコツコツ貯めていた貯金は全部なくなったけれど、後悔はしていません。私はモトクロスを通じてたくさんの人とお知り合いになることが出来ました。モトクロス界の方々は私が感じる限り皆さん良い人ばかり。百聞は一見にしかず、実際にレースを観に行かないと、この楽しさ、興奮は味わえないです。日本ではマイナースポーツと言われているモトクロスですが、一度だけでも会場に足を運んでみてほしいです。そして、私が感じたようなことをもっと多くの人に体感してほしいですね。

Follow me!