こんにちは、ジャンキー稲垣です。7月12日に全世界に向けてプレスローンチされたハスクバーナのEDレンジ試乗会へ、行ってきました。本誌ではご存じトップXCライダーが全車をインプレ(さきほど入稿を完了…汗)していますが、WEBでは僕ジャンキー稲垣のインプレをお届けいたします。

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バイクがよくなっても、まーうまくなるわけじゃないですけどね…

 実は今回もっともたのしみにしていたのは、TE250でした。バランサーがついたKTMの2スト250ユニットが、すごくいいという噂を聞いていたからですね。
 僕はレースに出ることはあまりない、フリーライド好きの350EXC-Fユーザーです。2017年モデルがフルモデルチェンジされるので、TX125を狙っていました。軽いし、お手軽だし、乗っていて楽しい。昨年バッズクリークで乗ったモトクロスバージョンのTC125も、僕にとってすごく評価が高かったのもあります。
 でも、今回TE250に乗って、その物欲は一新されました。今ほしいのは、TE250か、もしくはTE300。相当にショッキングなインプレになりました。

僕らは振動が怖かったのだ、パワーが怖かったのではない

 CRM250Rで育った僕としては、実は2スト250はわりと勝手知ったるもの。ただ、レーサーの250の手強さはよくわかっていて、それはエンデュランサーでも僕には手に余ると思っていました。トルクもこんなにいらないと思っていたし、走りすぎるのが怖いと思ってました。最近のモデルはだいぶ乗りやすかったですが、食指が動くことはまず無かったですね。
 新型は、バランサーがついています。メーカー発表では50%振動が抑制されていると、発表されています。
 セルをまわした瞬間に、このバランサバランサーのついていないTX125に乗ったあとだったんですけど、TX125よりも遙かに振動がすくない。人間の感覚なんていい加減なもので、排気量は振動で感じ取っていたりします。パワーやトルクなんて、ほとんどの場合その数%しか感じとれていないことが多いですね。「このバイク凶暴だわ」と思うことのほとんどの要素は、振動にあったことに気づきました。エンジンを見ずに「これ50ccだよ」と言われてエンジンをかけたら、途中まで気づかないかもしれません(笑)。
 これは、300ではもっと如実。250や300の2ストは、農耕機具に近いような荒さがありましたが、急に乗用車になったような感覚で、ライディングに集中することができます。

「こんなトルク・パワーいらない」の嘘

 振動というネガフィルターを取り外してみた2スト250の素晴らしさたるや、筆舌に尽くしがたいものです。トルクやパワーは、純粋に感じ取ることができます。これも、乗用車の感覚に近い。2000ccのハイエースと、3000ccターボのハイエースだったら、どう考えても3000ccターボのほうが楽ですよね。これと同じで、走り出してすぐにトルクとパワーがあればあるほど、楽に走れるのだと言うことに改めて気づかされることになります。
 TE300の重厚なトルクは、ただただライダーを助けてくれる。フロントタイヤを思うがママにあやつることができる。いま、ダートスポーツでは、フロントコントロールテクニックというトライアルライテクを連載中ですが、僕らができなかったのは、バイクのせいだったのでは(違う)と勘違いしてしまうほど、コントローラブル。
 それと、いい燃焼状態にならない限り、2ストってスムーズにまわりませんよね。そのために、一旦空ぶかししたりとか、フィーリングを調整することもしばしばでしたが、今度の2ストは一切必要なし。まるで4ストトレールのような「どの低回転でも」走れるだけの懐の深さがあります。2ストにもトラコンがつかないのかな、なんて最初は思いましたけど、2ストにはいらないでしょ、これだけできがよければ。

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今回はハスクバーナの博物館などにも訪問しました。こちらの訪問記も、後日! それにしてもかっこよくないですか?

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ハスクバーナ天国だし!

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